『お座り』とか『伏せ』とか... 2020.3.23
犬を飼ったらたいていの人が教える(そしてたいていの犬が”形”だけは出来る)『お座り』とか『伏せ』とか...
これって『お座り』とか『伏せ』の”形をとる"ことが目的ではないです。
なんのことを言っているのか意味がわからないですね(笑)。
もちろん一番最初は、その形を知らない犬に『お座り』とはこの姿勢、『伏せ』とはこの姿勢を取ること、と教えます。ではこの姿勢を覚えたら終わり?かというと、違います。
何のためにこの姿勢を教えるのか?と言うと...
いろんな理由がありますが、まずは犬がこの姿勢を取ることによって落ち着くことができ、他の行動(立ち上がって吠える、立ってどこかに動く等)を取れないようにするため。
ですので、ごはんの前に『お座り』だの『伏せ』だのが出来ても、やって欲しい『時』と『場所』で出来なくては意味がないのです。
ではやって欲しい『時』と『場所』って?
ごはんを食べる前でもなく、ごはんの器の前でもないです(とはいえ、立って飛びつかれるよりは座ってくれるに越したことはないですが、このシチュエーションはどの犬にも割と簡単です)。
やって欲しい『時』と『場所』で、難しいのは、家の中でも、家の外でも、何かに興奮している時や、交差点、玄関先など、飛び出すと危険な場所、病院やカフェ等、あまりウロウロしないでもらいたい場所等でしょうか?
どんな犬も、いきなり言われても、こういう時に出来ないことが多いです。
それはそういうシチュエーションで練習してないからです。
じゃ、練習すればどんな犬でも出来るかというと...
出来ます!
でもでも、私がここで言いたいことはそういうことではなくて〜
そういうことのためだけに『お座り』や『伏せ』を教えるのではないということです!
私が考えるに、
『お座り』や『伏せ』に限らず、犬に何かを教えるということは、犬が『人の指示に従うという姿勢を養うもの』だと思っています。
それはおやつがあるからやるのではなく(もちろん最初はおやつをもらえるからやるのですが)、この人の指示に従っていると間違いない、この人の指示を聞いて何かをやるのが楽しい、という『気持ち』を育てていくものだと思うのです。
だから”形”だけ出来るのでなく、『人の指示を聞く、人の指示を待つ』という犬の気持ちが育ってないと意味がないのです。
それが『犬と人の関係性を築く』ということです。
逆に、そういう気持ちが育ってないと、『どんなシチュエーションでも指示に従う』ということは難しいでしょうね。とくにもっと難しいコマンドになると。
だから『お座り』や『伏せ』なんて簡単!うちの犬は出来るヨ!
(ごはんの前はね〜、おやつがあればね〜、周りに何もなければね〜、家の中ではね〜)
ではなくて、いろんな場所やシチュエーションで練習を重ねてみてくださいね。
そういう練習過程が、どこに居ても(家の中でも外でも(外は範囲が広いですが))、『人の指示を仰ぐ、人に注目出来る犬に育つ〜』につながっていきます。
『飼い主を頼りにする犬』に育って欲しいですよね。
それは、言い換えると、『飼い犬に信頼される飼い主になる』ということでもあるのです。
たかが『お座り』や『伏せ』と侮るなかれ...犬の気持ちを育てるのは、奥が深いのです!