『ストレス』って? 2019.1.20
なかなか更新できないブログですが、新年最初のブログです。
年末年始にわんちゃんを預ける場所を探す方からのお問い合わせが増えるこの時期、いつも思うことについて書いてみます。
ケージレス=ストレスフリー? から派生して
『犬にストレスを与えたくないから、犬が嫌がることは一切しない』の?って話です。
『ストレス』と一言でいっても何がストレスになるかはその犬によって違います。
犬が嫌いな犬なら、周りにたくさんの犬が居て寄ってこられること。
人が大好きで寂しがりやの犬なら、常に人に構ってもらえないこと。
お散歩大好きな犬なら、頻繁にお散歩に行けないこと。
顔周り、足回りのお手入れが嫌いな犬なら、それらをされること。
掃除機が怖い犬なら、目の前で掃除機をかけられること、等々。
もちろん『ストレス』はないに越したことはないです。
でも生きていくうえでなんらかのストレスは必ずあるはず。
それらを回避してばかりでは生きてはいけないですよね。
『犬にストレスを与えたくないから犬が嫌がることは一切しない』というのでは、犬は人間社会で生きていくうえでのルールを学べないだけでなく、犬と人間は良い関係を築けないと思うのです。
例えば抱っこして拘束しようとすると暴れる→犬が暴れるから放す
身体の特定の部位(脚やら顔やら爪やらマズルやら...)に触られるのを嫌がる→犬が唸る(噛む)からやめる
これを繰り返していると...抱っこも出来ない、痛い場所やお手入れしてあげたい部位があってもしてあげれないということになるわけです。
犬にしてみれば、暴れたら...、唸ったら...、噛んだら...、嫌なことをされずに済んだ...だけかもしれません。
でもこうやって、ちょっとでも嫌なこと(怖いこと)があると過剰に反応するようになります。
これってその犬にとって幸せでしょうか?
ほんの少しの嫌なこと(怖いこと)も我慢できない、いつもピリピリ、ビクビクして一生を過ごすなんて、その方がよっぽどストレスで、ほんとに可哀想だと思います。
なにも犬が嫌がることを不必要にやれと言っているわけではなく、また人間のエゴを押し付けろと言っているわけではないです。
上記のようなことは、犬が人間と一緒に暮らすうえで必要になることです。
多少は嫌でも(といっても何か痛いことをしているわけではないのですから)少しは我慢してもらう必要のあることです。
ある程度乗り越えられるストレスを経験する機会を的確な方法で与える、結果としてその犬のキャパは広がり、いろんなものによりストレスを感じずに生きていけるようになる(ストレス耐性が出来る)のです。
大事なのは、的確な方法(程度、頻度、報酬等)で与えるということ。
それはその犬が何にどの程度ストレスを感じているかによって違うでしょう。
でもどんな犬でも、少しずつ慣らしていくことによって、そんじょそこらの『人間』なんかよりずっと素直に適応します。
飼い主の役目は、『ストレス』にまったく曝さないようにするということでなく、『ストレス』に
『慣らす』という過程(機会)を与えてサポートすることだと思うのです。